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其の4

其の6




お勧めの書籍 其の5


書籍名: 江戸幕府 役職集成
著 者: 笠間 良彦
出版社: 雄山閣出版(株)

乙三さん
E-mail:
jo6-life@nsknet.or.jp
 江戸時代の初め頃(寛永・正保の頃)から幕末まで、幕府の組織や役職,給与などを詳細に明らかにした資料。諸大名は概ね幕府に範をとっているので、幕藩体制の組織・役職を学ぶ上でのテキストにも成り得ます。
 これ自体は無味乾燥な資料ですが、時代小説の登場人物の社会的地位や日常生活を想い浮かべながら読み進めれば、興味深いものがあります。

 本文の傳は含蓄ある一文ですので、以下に一部を引用します。
「  以上述べたように江戸幕府は約1千種に及ぶ階級役職を設けて、その組織を強固のものとし、武士の立場を定義づけ、束縛すると共に、押しつけた安定を行なった故に、3百年間も維持されたのであったが、幕府瓦解に当たって、いざという時に役に立たせるべきこの思慮遠謀も、その組織がわざわいして1つとして役に立たず、もろくも崩れ去ったのは誠に皮肉というべきである。(中略)
  一方、各藩も大なり小なり幕府の役職と組織をみならって同傾向の方針で進んでいたが、王政復古の原動力となったのは、この組織から、出世の途を封ぜられた、不平下級武士達の手によってであった。(後略) 」

書籍名: 葉隠
著 者: 山本常朝 原著、松永義弘 訳
出版社: 教育社
主人公: 鍋島当主及び佐嘉藩家臣

マモルさん
E-mail:
nobunari@tky2.3web.ne.jp
HP:歴史If城
「葉隠」と言えば、岩波文庫の小難しい哲学系武士道物と思う方も多いでしょう。そんな方には現代語訳されたこれが御薦めで御座る。
読んでみれば武士道物哲学書ではなく、色々な武士の日常にある落とし穴や成功への抜け道が書かれており、それを切り抜ける様子が面白可笑しく載っていたりする所が面白い。

書籍名: 中公文庫;鳶魚江戸文庫シリーズ(現在14巻まで刊行済み)
著 者: 三田村 鳶魚(えんぎょ) 著/朝倉 治彦 編
出版社: 中央公論社

藤林長門守さん
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jo6-life@nsknet.or.jp
 三田村鳶魚老による独白調の随筆。 某は江戸期を舞台にした時代小説には馴染みませんが、時代小説のファンの方にこそ、このシリーズはおすすめと存知ます。
 鳶魚老の文体は力みのない口語体で、江戸言葉を彷彿とさせる独特なリズムがあり、読み進むうちに江戸の町並みが遠景として浮かび上がってまいります。

 鳶魚老は、生年は東京に"江戸"の色合いが残る明治3年、また"江戸"を生きてきた祖父に幼い時から教えを受け、江戸の空気を肌で知る1人として「江戸学」の祖と呼ばれた方です。江戸幕府の草創期から幕末,明治前半まで、市井の風俗から将軍家・大名の事績までを網羅する博識ぶりには感嘆させられます。
 とはいえ鳶魚文庫の味わいは、その博識ぶりにあるのではありません。また鳶魚老が懐古の情のみで"江戸"の物事を調査収集された訳でもなさそうです。思うに、鳶魚老は"江戸"に人の世の"お可笑(かし)さ,面白み"を見いだし、それを愛したのではないか?。だからこそ掌中で慈しむような鳶魚老の体温を読者が感じるのでしょう。その温もりこそ、鳶魚老が人間という生き物に注いでいる眼差しの優しさに他なりません。

書籍名: 夏草の賦(上・下)
著 者: 司馬遼太郎
出版社: 文藝春秋社
主人公: 長宗我部元親

りょうさん
E-mail:
ryouiti@pluto.dti.ne.jp
非常に珍しい、長宗我部元親を扱った小説です。私は一気に読破してしまいました。

書籍名: 雑兵たちの戦場(副題;中世の傭兵と奴隷狩り)
著 者: 藤木久志
出版社: 朝日新聞社

藤林長門守さん
E-mail:
jo6-life@nsknet.or.jp
 徒士や足軽,中間といった下級武士・雑兵が戦争に参加した目的は、略奪や奴隷狩りだった...、
という意表を衝く内容。論旨として説得力があり、新たな視点を啓いてくれる一冊。

書籍名: 戦国の村を行く
著 者: 藤木久志
出版社: 朝日選書;朝日新聞社

藤林長門守さん
E-mail:
jo6-life@nsknet.or.jp
 同著者"雑兵たちの戦場"の続編。合戦に付き物だった略奪や奴隷狩りに、民衆はどのように対抗し自衛していたか!?、という前冊の逆方向の視点で書かれた一冊。武将たちの行跡として描かれがちな偏った戦国の歴史観にバランスを取り戻すため、是非ご一読を。

書籍名: 戦国全史
著 者: 野間佐和子(発行者)
出版社: 講談社

元就さん
E-mail:
mokorin@kyoto.xaxon-net.or.jp
HP:萩原孝正’dream
戦国時代のことなら何でも載っているのではないかと思われるほど情報量が多い。
年代別の起こった出来事から武将の紹介、系図・地域別の説明や豊富なコラムなど、戦国時代が好きな人には欠かせないのではないかと思ったりする。
800ページで14369円。

書籍名: <光文社文庫> 歴史の零(こぼ)れもの
著 者: <日本ペンクラブ編>司馬遼太郎,隆慶一郎,子母澤寛など17名の著名作家
出版社: 光文社
主人公: 随筆,評論集

藤林長門守さん
E-mail:
jo6-life@nsknet.or.jp
 一言で云えば"お得な1冊"。文章修行の教科書にもなる質の高さですが、肩の凝らない歴史のエピソード集としても楽しませてくれる文庫本。出張のお供に休憩時間の暇潰しにいかが?、どんな方にもおすすめです!

書籍名: 真田幸村風雲録
著 者: 渡辺一雄
出版社: 廣済堂文庫
主人公: 真田幸村

TOKIさん
E-mail:
tadasuke@mtb.biglobe.ne.jp
 関ヶ原合戦で幸村は死んでおらず、実は強かに生き延び、別人となって江戸幕府の中枢を握る存在になっていく!というもの。鎖国の理由は、交易からあがる巨利を商人から奪うため、など。

書籍名: ローマ人の物語1〜6
著 者: 塩野七生
出版社: 新潮社
主人公: ローマの人々

くなるんさん
E-mail:
shinosuk@mxz.meshnet.or.jp
 戦国物が多い中、恐縮ですが日本人が知っててもマイナーになってしまっているローマのお話です。
 イタリア中部の羊飼いの村がいかにして地中海の覇者になっていくか、いかに数々の戦い、政治改革を乗り越えていくかを膨大なページを費やしながらもとてもわかりやすく、親切かつ丁寧に綴っています。
 こう書くと、まるで歴史の教科書みたいに聞こえるかもしれませんが、いえいえ、さすがに見せるところは見せますよ。天才的な指揮官による胸のすくような逆転勝利や、混迷を極める政局を正すために立ち上がる若き政治家など・・・・。著者が「大人のための歴史」といっているのもうなずけます。
 個人的には2巻の「ハンニバル戦記」が好きですが作者の気合いが一番入ってるのは4・5巻の「ユリウス=カエサル」ですね。日本で信長、中国で曹操ときたら欧米での天才の代名詞は彼、ユリウス=カエサル(ジュリアス=シーザー)。正に「神君」です。
 戦国時代の読み物以外のものをふと読みたくなったら、絶対おすすめの本です。

書籍名: 武田勝頼
著 者: 新田次郎
出版社: 文春文庫
主人公: 武田勝頼

月影龍樹さん
E-mail:
darkpent@wa2.so-net.or.jp
HP:史傳書房
 従来の武田勝頼観を覆す逸品。
 本当の「長篠会戦」とは?
 勝頼は本当に凡将だったのか?
 「強すぎた大将」勝頼を描く、巨匠新田次郎の作品。
 哀しくも散っていった武田氏の運命。

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